レック・ダイビングといえば、海底に沈んでいる沈船に潜るのが一般的で、そ もそもレックという言葉自体、「難破したもの」という意味。
輸送船、戦艦、戦闘機などがダイビング・ポイントになっている場所は、実に たくさんあり、なかでも太平洋戦争で沈んだ沈船が密集しているトラック諸島は有名だ。しかし、そのほかにもレック・ポイントは数多く、世界中、もちろん日
本国内にも点在している。
また、海底に眠る船も、原形をとどめドッシリ横たわっているものや船体がバ ラバラになっているものなど、その姿もさまざま。
このようなレック・ダイビングには、たくさんの楽しみ方がある。たとえば船 のデッキやマストについている原色のソフトコーラルや、魚礁としてすみついた多様な魚たちのウォッチング、ライトの光だけが映しだすスリル満点の船内探索
、夢とロマンをかきたてる歴史発掘などなど、目的や楽しみ方は千差万別。
船内に潜るには、堆積物を巻き上げないようなフィンワークとテクニック、そ れにマナーも必要。このコースでは、沈船に潜る際のさまざまな注意点や、実際に船内にロープを張って、それを伝いながら移動して潜る方法などを習得する。
ダイバーだけが見ることを許された、数々の沈船たちは、まるで人類の物言わ ぬ歴史をこちらに語りかけてくるようだ。